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IoT戦略 

"ものはこび"の課題から見えてくる日本と私たち

2017/10/12 ・記事をシェアする

BENGの「ものづくりデジタライゼーションが日本を救うチーム」の志村でございます。

前回、ロジスティクスソリューションフェアの出展報告をさせて頂きましたが、今回はその続編として、"ものはこび"業界が抱えている課題を少しお話させていただこうかと思います。

数字で見る "ものはこび"

まず、企業の売上高に占める物流費の割合を見てみましょう。

売上高物流費比率

出所)2016年度物流コスト調査報告書

実は売上高物流費比率は、過去はもっと高く、1990年台は6%以上ありました。主にハコモノ建設に伴う建設資材の物流が多くを占めていましたが、リーマンショックや政権の交代も重なり、国内の建設需要が減り、ここ10年は4%台をキープしています。昨今、TVショッピングやインターネットショッピングが大幅に増えており、私たち消費者ニーズの多様化により物流費比率を上向きにさせていると考えられます。また、物流コストの6割は輸送費であり、年々5%程度の増加傾向にあり、内訳はトラック輸送が9割で鉄道輸送が1割となっています。 そのほとんどを占めるトラック輸送ですが、営業車の積載率はなんと43%となっており、半分以上は空となっています。皆さんが毎日見かけるあのトラックの半分はカラっぽなんですよ!残念ながら、空気を運んでいても一銭にもなりません・・・・

トラック積載率

出所)自動車輸送統計年報 平成29年

また、宅配便の再配達率は20%となっており、さらに増加傾向にあるとのことです。配達員のモラル・ハザードが社会問題となっていますが、ネット通販の増加に伴う小口配送の増加への対応は、預かり場所を増やすこと等で、改善の方向へ向かっています。また、国土交通省の調査では1年間に再配達にかかる累積時間は1.8億時間で、約9万人の労働力に等しく、またCO2換算では山手線内側の2.5倍の広さのスギ林のCO2の吸収量に等しいと算出されています。

これらは全て、社会的損失となっており、これらの課題を改善することは、物流業の社会的責任であり使命と言えます。

出所)平成27年度国交省厚労省意識調査

"ものはこび" の課題解決へ取り組み

生産性がかなり悪いことが、ものはこび業界の課題であることはお分かりの通りですが、企業も何も手を打ってない訳ではありません。下記を見てください。

生産性向上に向けた主な取り組み

出所)2016年度物流コスト調査報告書

"ものを運ぶ" という基本的な業務機能の改善に積極的に取り組んでいる企業は多いです。調査結果をみると、積載率の向上は、半数以上の企業で取り組んでいる最優先の課題となっています。 また、改善へのアプローチですが、データを元にオペレーションのファクト(実際)を出来る限り正確に把握し、改善の手順に落とし込んでいると推察されます。この統計をご覧になってください。

業務別データ活用と効果指数

出所)情報通信白書

"ものはこび"の領域は、他の業務領域と比較して、データを活用してその効果を最も得られる領域であるとのことです。"ものはこび"におけるデータは、企業内から発生するだけでなく、外部のものも多く、"ものづくり"より外乱の影響を受けやすいのは事実です。その分、正しくデータを扱えれば効果を得やすい領域ということも納得のところですし、もはや改善のためのデータ活用は避けて通れないでしょう。

例えば、改善テーマの筆頭である積載率の向上には、荷下ろした後のトラックが物を積んで戻れるかが重要ですが、もともと計画を立てていたとしても、渋滞や納入先都合によりスケジュールが遅れ、思った通りに進まないのが現実です。昨今はトラックにデジタコやGPSなどでリアルタイムにその状況を把握できるようにIoTを活用してその計画の精度を改善している企業も増えています。 このように、積極的にIoTに取り組む企業は、これまで収集でき得なかったデータを収集し、蓄積し始めています。データを集める、集めない、この差が5年後に現れていると思います。「集めて何をするんだ?」ではなく、「集めてから何をするか考える」の方をお勧めしたいです。もちろん目的は重要ですが、未来は予測できませんので、せめてデータを集めて、いざという時に活用できるように準備しておくことが、企業の競争力を強化する1つの道と思います。

もちろん、今からでも遅くありません。

"ものはこび" の社会的責任と使命

CO2削減は、地球規模のテーマとなっていることは、皆さんもよくご存知のことと思います。パリ協定では、CO2を含む温室効果ガス排出を大幅に削減することになりました。このまま新興国が豊かになり、例えば日本の自動車生産台数が2倍になった場合に、CO2 削減率は1台あたり90%と推算され、これは化石燃料を使う自動車は生き残れないということを表しています。既にフランスやドイツはガソリン・ディーゼル車の将来的な廃止を公言し、中国までもが検討に入っていると報道されています。また、世界経済フォーラムで議論されるのは、経済リスクより環境リスクであり、私たち、地球人として"豊かさの質"を問われていると思います。

環境リスクは全ての産業に影響することであり、前述の通り、"ものはこび"業界も多くの課題を抱えています。トラック輸送は多くのCO2を排出しているため、デジタライゼーションで効率性を高め、排出を抑えることはもはや業界の"使命"です。


次回は、サプライチェーン全体での価値創出についてお伝えしたいと思います。

がんばれニッポンのものはこび!

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