ものづくりIoTブログ

B-EN-GのIoTのスペシャリストが
IoT関連の先端技術及び最新トピックについての
取組みをご紹介します。

ブログのトップ画像

monozukuri-iot's topics

イベント 

実現に向けて動き出したインダストリー4.0最前線
ハノーバーメッセレポート

2016/07/28 ・記事をシェアする

現在の企業経営にITが欠かせないように、今後製造業の経営においてはIoTが最重要かつ必要不可欠な要素技術になってくる。世界のIoTの最新事情、とりわけ製造業に関連の深いインダストリー4.0の最新動向を探るため、4月25〜28日にドイツハノーバーで開催された国際産業見本市「ハノーバーメッセ」に参加した。約5,000社が出展し、期間中は約20万人が来場した。

トヨタが採用した独ベッコフのEtherCAT

毎年大規模な出展をしているドイツのオートメーション機器メーカーのベッコフ。今年の目玉は1本のケーブルで通信と電源供給ができるEtherCATと、クラウドに直結できるデバイスである(写真1)。産業用Ethernetの規格の1つで、同社が2003年に発表したものである。ハノーバーメッセ期間中にトヨタ自動車が同社のEtherCATを全面的に採用したことを発表した。IoTによる製造現場革新へのニーズが高まる中、EtherCATの高速性と通信と電源が1本のケーブルで運用できるシンプル性を評価し、採用に至った。トヨタは今後、サプライヤー各社にEtherCATの採用を呼び掛けるという。

写真1 ベッコフのEtherCAT

独SEW-EURODRIVEが取り組む工場や工程のモジュール化

同族経営で1,600名、売上3,500億のギヤモータを製造するドイツ企業SEW-EURODRIVEは、2011年より、CIM(Computer Integrated Manufacturing)から発展させたインダストリー4.0に取り組んでいる。たとえば、工場や工程をモジュール化してモジュールの組み合わせで柔軟なプロセスを"工場の中に工場をつくる"というコンセプト。これを実現する取組みを紹介した。同社はインダストリー4.0対応製品として、配送システム(自律型AGV)を作成している。機械と人が協調することが狙いだという。ブースでは、セル型に近いラインで数名の作業者にロボットが計画に従って部品や治工具を提供し、計画変更や人の急な動きなどにも対応できることを実演とともに紹介した(写真2)。

写真2 人と機械が協調するSEWの展示。計画に従ってロボットが人に部品や治工具を提供する

日本勢は人とロボットが協調するIoTを志向

日本のFAベンダーはロボットの展示が目立った。オムロンは、主力のFA機器をのみならず、卓球ロボットを展示するなどして、制御機器との連携機能とともにロボットを訴求(写真3)。THKは、ヒト型双腕ロボットを参考展示した。

写真3 オムロンの卓球ロボット

2003年よりe-F@ctoryとして、IoTに取り組んでいる三菱電機は、FAとIoTの違いは、FAはカイゼン(PDCA)サイクルであって、IoTはセンサでのデータ収集、MtoM(高速コミュニケーション)、分析がカギとなるという。今後は、従来の反復作業を高速にこなすだけではなく、人と協働できるロボットを開発していく
。  安川電機も協調型ロボットに力を入れている。たとえば2台のロボットを協調させることにより、一方のロボットで材料を保持し、もう一方で加工することにより、治工具や台が不要になることを目指している。

インダストリー4.0、日本の立ち位置

ハノーバーメッセ開催と同時に、4月27日に日独経済フォーラムが行われた。超満員の400名以上が参加。日独の動きへの関心の高さがうかがえた。日本からは八木毅駐独大使、福島洋経産省大臣官房審議官、ドイツからはベックマイヤー政務次官、グルホードイツメッセ取締役らが登壇。ドイツは日本のインダストリー4.0の参加を正式に要請し、日本側も福島審議官がインダストリー4.0に政府として取り組んでいく意向を表明した。翌日4月28日に合意書が締結され、その後すぐ訪独した安倍晋三首相からもインダストリー4.0での日独連携に期待を寄せる発言があった。
 日本は今後、インダストリー4.0の産業向けサイバーセキュリティ、国際標準化、規制改革、中小企業支援などの分野において、ドイツと協力して取り組んでいく考えを示した。それらを取りまとめる役割は、ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)が担う。
 「ドイツと日本が今後も製造業において現在の優位性を保てるとは限らない。現在の優位性を保つにはデジタル化が必須。日独の協力は必然性がある」とシェレメット経済エネルギー省次官は語る。
 ドイツでは、リファレンスアーキテクチャモデルの作成を完了した。国際標準にしていくために日本に協力を要請。また、ドイツが提唱するインダストリー4.0であるが、まだまだ「4.0」のレベルに至っていないのが実情であり、「中小企業が気軽に活用できるインダストリー4.0の実証実験の場を各地に設けていきたい」とシュレメット次官は展望を述べた。

現実味を帯びてきたインダストリー4.0今後の行方は

昨年はインダストリー4.0をブース内に明確に掲げているのはドイツ企業のみであったが、今回は米国のパートナー国としての参加、日本のインダストリー4.0への協力表明により本格的なグローバル展開や現実的な導入が広がり始めたと実感した。同時に、企業各社で標準化づくりに参加し、特定の他社と連携しながら(シーメンスと三菱電機、シーメンスとパナソニック、ファナックとシスコなど)、自社のプロトコルの開発も並行して進めるという状態が数年は続くと思われる。また、クラウドに「直接つながるデバイス」が各社から出始めている点が印象的だった。
 当面はこれらの状況が混在した"インダストリー3.X"的な状況が継続すると想定している。当社としては、日本でのRRIやインダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ(IVI)などの取組みに協力しながら、今後も中堅・中小企業にもメリットの出るリーズナブルなIoTソリューションを提供していく考えである。

筆 者:

羽田 雅一(はねだ まさかず)

東洋ビジネスエンジニアリング㈱

常務取締役 CTO/CMO

所在地:

〒100-0004 東京都千代田区大手町1-8-1
KDDI大手町ビル

TEL:03-3510-7351

※本記事は「工場管理」(日刊工業新聞社発刊)2016年7月号のp142-143に掲載されました。

About Me

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社の
「ものづくりIoT(Internet of Things)」の
取り組みを発信する公式サイトです。

"すべては変革のために"

ものづくりIoTに取り組むお客様の成功を
支援いたします!